ブレグジットとは?メイ首相の辞任理由とEU離脱問題の最たる原因!

イギリスのメイ首相が、同国のEU離脱問題、いわゆるブレグジットの混迷化の責任を取る形で、辞任することになった。

2019年、6月7日、自身が党首を務める保守党の党首選が終わったあとに、正式に首相を辞めるという。

 

率直に言って、サッカーの母国、イギリス国民の大半から嫌われ、キックアウトされる形での辞任だったと言える。

だが、これはイギリス国内、またはEU加盟国内に止まる問題ではない。

今後の世界の歴史にも関わるグローバルな事態であり、この夏の日本の参院選の国際的な影響力などとは次元が違うものだ。

 

なぜ、メイ首相はブレグジットの混乱を収められなかったのか。

それを考えることは、必然的に今後の世界について考えることにもつながる。

その根底には貧富の格差、ポピュリズムによる政治の劣化、そして世界を1つにするという人類共通の理想の敗北などがある。

そういったことを出来るだけシンプルに論じたい。

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トランプ時代の幕を開けたブレグジット

ブレグジットとは?メイ首相の辞任理由とEU離脱問題の最たる原因は?
ブレグジットというのは“British” (イギリス)と “exit”(出口) の混ぜ言葉であり、そのままイギリスのEU離脱を意味する。

なぜ、イギリスはブレグジット熱にとりつかれたのか。

2015年にあったパリ同時多発テロが発火点であることは間違いない。

 

シリア内戦によって100万人単位の亡命者がヨーロッパに流れ着く中、この未曾有のソフトターゲット・テロが起こったのだ。

隣国イギリスはそれに危機感を覚え、排外主義がはびこることになる。

さらにそれ以前から、ギリシャの債務危機によってEUの経済圏は崩壊しかけていた。

そこでブレグジット支持者、EU離脱派が勢いに乗る。

 

彼らはこのままではテロリストがどんどん国内に輸入され、一方で国内のお金が破産したEUに吸い上げられてゆくだけだと主張し、国民的な支持を得た。

2016年、EU離脱の是非を問う国民投票が行われ、約52パーセントの票を得てブレグジットが勝利することになった。

そして、この数ヵ月後、同じく排外主義と一国主義を掲げたトランプがアメリカ大統領選挙で勝利した。

ブレグジットは、まさに世界の新たな扉を開けるものとなった。

ケンカ民主主義で自滅したメイ政権

ブレグジットとは?メイ首相の辞任理由とEU離脱問題の最たる原因は?1
ブレグジット成立後、保守党の党首選に勝利したことで、メイ首相が誕生した。

サッチャーに続く、イギリス史上2人目の女性首相だった。

結果、メイ政権は3年で終わったが、発足直後から間違いを犯していた。

 

メイ自身、国民投票時にはEU残留派だったが、首相になると一転、ブレグジットの強硬派に転じた

明らかな大衆迎合、ポピュリズム路線だった。

 

国民投票は僅差の結果で、残留派も48パーセントを占めていた。

だが、メイ首相は強硬姿勢を崩さず、議会では反対意見を聞くことさえなかった。

そのごう慢さから、議論より数で決着をつけようとし、下院の解散総選挙に出る。

だが、逆に自身の保守党が過半数割れで敗北した。

 

それで政権基盤がますます弱り、議会もより混乱することになる。

こういった事態を見て、まるで橋下徹だと思う人もいるだろう。

大阪市長時代、橋下徹は大阪都構想の議論を決着させるべく、住民投票に踏み切った。

だが、反対票が上回り、橋下は政界から去ることとなった。

 

橋下は、民主的な議論よりも投票での決着ばかりに執着した典型的なポピュリストだった。

そのため、彼の政治手法はケンカ民主主義だとも言われた。

メイ首相もまた、橋下と同じ末路をたどった1人だと言える。

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貧困とポピュリズムと分断の悪循環

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ブレグジットによるイギリスの分断の本質には何があるのだろう。

二大政党政治の限界米英流の参加型デモクラシーの弊害などということも言われている。

だが、最たる原因は最もシンプルなもの。

貧富の格差である。

 

イギリスでも世界中どこででも、格差拡大によって貧困層が大いにストレスや怒りをためこむ時代になった。

そこで、彼らの受けを取るトランプのようなポピュリズム政治家が出てくる。

お前たちの職を奪う外国人を全員、追い出してやる、などという文句に、大勢が引き寄せられる。

 

ポピュリストが政界に数多く進出。

だが彼らの多くは貧困層受けする政策に執着するので、治家の本分である議論による合意形成ができない

国会議論は空転し、その分断と混乱が市民生活にもフィードバックされる。

メイ首相が辞任を表明したのは、イギリスがまさにそんな悪循環に陥っている最中のことだった。

EUという人類の希望

ブレグジットとは?メイ首相の辞任理由とEU離脱問題の最たる原因は?3
この先、イギリスはEUとの合意なき離脱、いわゆるハード・ブレグジットに突っ込んでゆくのか。

それとも、EUとの合意形成ができる政治リーダーの登場で、イギリスはEUと再び結ばれるのだろうか。

たとえ、そんなハッピーエンドが実現したとしても、いずれ国内は分断されるだろう。

格差拡大がある限り、ポピュリストは存在し続ける

 

ベーシック・インカムのような抜本的な福祉政策が実施されない限り、イギリスも世界も分断されたままであるに違いない。

EUという巨大な国家統合体は、人類の大きな夢でもあった。

EUの存在は、北米、南米、アフリカ、そして東アジアでも1つの巨大な共栄圏が生まれるのではないかという希望を抱かせるものだった。

 

EUの存在自体はまちがっていない。

ただ、それを1つにしているのがグローバリゼーションという名の資本主義、つまり経済的な利害関係であり、そうである限り、真の人類共栄圏というものは生まれようがない。

イギリスのブレグジットの今後は、人類全体の行方にも大きな影響を与えうる。

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