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未来チケットとは?東京の飲食店から広まるサービス業への支援の形!

未来チケットとは?東京の飲食店から広まるサービス業への支援の形!
早くも世界恐慌の年として刻まれることが確実な2020年

そんな中でも一定の収入や資産がある人は『未来チケット』の購入を考えてみてはどうだろう。

国民一律10万円の給付金をこの世の何に役立てようかと悩む良識ある人たちも少なからずいるだろう。

ただの寄付では味気ない。

かといって何もしなければ、税金で取られてムダに使われてしまうかもしれない。

 

そこでクラウドファンディングを元にした『未来チケット』という選択肢がでてくる。

この大不況の中、自分の好きなものを支援でき、かつ何らかのリターンが得られるというのがこのチケットの特徴。

その上、名前の通りより良い日本の未来を買うチケットでもあるのだ。

それがどのようにパンデミック後の世の中を変えてゆくのか気ままに考えてゆきたい。

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未来チケットとは?

未来チケットとは飲食・宿泊・文化等の店舗・施設で使えるいわば“先の見えない前売り券”のようなものだ。

パンデミックは自然災害の一種であり、どのように変異し、いつ終息するのかは誰にも分からない。

そのため最悪、チケットを買った店舗がつぶれてリターンどころか返金も叶わないというケースも充分に起こりうる。

未来チケットを買う前にまずこの点を理解し、覚悟しておかねばならない。

 

これは限りなく寄付に近いクラウドファンディングだといえる。

つまり、買う人にはその支援先に対する純粋な愛情が求められる。

それが「応援したい」と心の底から思えるものでないのなら、未来チケットの購入は控えた方がいいだろう。

東京の飲食店で見つけた未来チケット


未来チケットは東京の葛飾区の飲食店による働きかけを調べたのがきっかけだ。

すべての業界における自粛の必要性がこれ以上長引けば日本経済が壊滅的な状態になるだろう。

特に外出自粛の影響を受ける飲食店をはじめとした地域に根付いた店舗の存続には甚大な影響を与えている。

そこでカツメシ未来チケット実行委員会が発足した。

地元の飲食店の運転資金の支援を求めて企画したというこの流れは他の地域でも活性化している。

そして飲食業界だけではなく、未来チケットによる支援の形は他業界ではさらに注目を集めている。

もしもあたなの大切にしている思い出に関わる店舗や業界を支援できるのなら未来チケットを利用してはいかがだろうか。

未来チケットが最盛況のサービス業!ミニシアター基金


未来チケットの中で今最も盛り上がっているのは『ミニシアター・エイド基金』<https://motion-gallery.net/projects/minitheateraid>だ。

主にアート系やインディーズ系の映画を上映する小規模劇場・ミニシアターを全国的に支援するもので賛同人として監督の川瀬直美是枝裕和、俳優の斉藤工役所広司などが名を連ねている。

Motion Galleryのサイトを見ると、5月1日現在の時点で212,897,533円ものお金が集まっていて、残り14日もありながら目標金額の倍を達成している。

支援金は3千円から5百万円とかなり幅が広い。

値段が上がるごとにリターンも上がり、劇場チケットの数やストリーミング再生数や対象映画の数が増えてゆく。

さらには劇場での予告時にサポーターとして名前がクレジットされたり俳優などが出演するトークイベントに参加できたりもする。

 

それでも百万円以上になると明らかにリターンは物足りなくなる

が、現時点ですでに5百万円サポーターは2名いる。

いくら貯金があってもハンパな気持ちではできないだろう。

ミニシアターはシネコンなどの大手劇場と違って月々の支払いに追われている所も少なくない。

そのためこの未来チケットの取り組みは本当にありがたいだろう。

未来チケットで日本文化を自らの手で救える可能性


ミニシアター未来チケットが盛り上がるのは、政府の文化支援がまったく足りていないからでもあるはずだ。

映画館・ライブ会場・美術館

政府はそういった施設よりも実利を上げる企業や事業所にばかり金銭補償を回している。

 

莫大な文化支援金を出したドイツアメリカなどの話を聞くと、なお日本という国が情けなくなる。

そのためミニシアターへの未来チケットとは、日本国民が自らの手で文化を守るための最適なツールともいえるだろう。

給付された10万円をそのまま『ミニシアター・エイド基金』に送れば、その人は政府の税金を自分と文化のために有効利用したという爽快な気分に浸れるのではないか。

ネトフリ時代におけるミニシアターの存在意義


ミニシアターってまだ必要なものなの?

という意見もあるだろう。

今は“動画ウォーズ”と呼ばれるほどネットフリックスアップルテレビなど数多くの動画配信が競い合い、TV放送や映画産業を追い抜こうとする時代だ。

ネットフリックスでは大手映画スタジオが作れないようなアート系の映画を独自製作するようになり、カンヌやアカデミー賞などで受賞が相次いでいる。

 

日本のネトフリでも去年TVドラマとして『全裸監督』が放映され、地上波で話題のドラマ以上のブームを作った。

その波が映画産業に向かうのはもはや時間の問題だろう。

そんな時代にミニシアターの居場所はあるのだろうか。

私はそれに「ある」と答えたい。

 

もう20年も前になるがフランス映画『アメリ』を京都のミニシアターに観にいったことがある。

多くの人がご存知の通り大傑作であり、劇場から出たときの興奮は今でも覚えている。

さらにロビーには明らかにアメリに仮装したハーフ系の美少女がいて、私はこっそり写真を撮った。

ネトフリで傑作アート映画を観ても、それはきっと感性に刻まれるだけのものになるだろう。

だがミニシアターでは感性ばかりか人生にまで彩りが与えられるのである。

アートを人生の一ページとしてリアルに体感する場として、ミニシアターは今も欠かせない文化施設なのではないだろうか。

未来チケットの徳積み精神が変える日本の未来


未来チケットは映画の他にも飲食店やホテルなどの宿泊施設でもすでに広く出回っている。

基本は少し低めの料金設定でセット販売されたものだ。

もしあなたが観光地に住んでいるのであれば、地元愛をこめて色んなチケットを購入したいと思うのではないか。

しかもそれは単なる寄付ではなく食べ物や思い出といったリターンをも与えてくれる。

博愛や慈善のこころとは、目に見える具体的な見返りがあった方がより温まるものだ。

 

リターンのリスクに関してはチケットそれぞれで異なるだろう。

そしてたとえ全額返金補償を明記しているものでも、パンデミックの行方によって揺らぐ可能性もある

しかしこのリターンがありながら不確かだという点は、人の善意をより引き出す要素になるのではないか。

この点で未来チケットとは“”と似ている。

誰も見ていないところで道端のゴミを拾ったりなど人が密かに行う善行・それが徳を積むことである。

一般に徳を積むのは幸運をつかむためのものなので、偽善だという批判もある。

だがその幸運が来るかどうかは不確かであり、時には不運がくることだってある。

 

未来チケットも見返りを求めてのことだがリターンゼロの純然たる慈善になる可能性もある。

欲と無欲さが入り混じる善行ということでチケット購入は徳を積むことと重なる。

そしてそれは欲があるからこそ、とても人間らしい愛情の示し方だといえる。

今後、未来チケットは飛行機・クラブ・結婚式場などなど無限に広がってゆく可能性に満ちている。

パンデミック後の平穏な世界でもこの流れが続けば、新たな時代の幕開けになりうる。

なぜならそうなれば社会を形作るのは政治よりも市民ひとりひとりの善意にかかってくるからだ。

未来チケットを買うことは、文字通りより良い未来の日本を先取りすることでもあるだろう。

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