池田エライザがえらいことになっている。
携帯大手auの「三太郎」シリーズのCMで新たなキャラ、親指姫として登場し、今大いに話題になっている。
しかし、エラ、誰それ?という人も少なからずいるだろう。
同シリーズで姫を演じる有村架純や菜々緒などと較べると、知名度はかなり低い。
だが、エライザの役どころは姫たちの母親であり、親指サイズの大きさながら立場は上。
しかも、親指を立ててロックなノリで鬼退治に行くのいいね!と豪語する。
池田エライザは23歳のモデル兼女優だ。
auのCMでは今後、嵐を起こしそうな予感がするが、彼女のキャリアもそれに比例するのではないか。
そのユニークすぎる過去と現在を見ると、今年2019年、最もブレークする女優に、あるいは今後数年間で本格派女優になるのではと思わせる存在だ。
親指サイズには決して収まらない池田エライザの魅力について語ってみたい。
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池田エライザは園子温作デビュー!満島ひかりに続けるか!?
池田エライザは1996年生まれの福岡県育ち、父が日本人で、母がスペイン系のフィリピン人。
最近出版されたばかりの写真集『pinturita(ピントゥリータ)』では、スペインの各都市を回って自身のルーツを探ったという。
母は元モデルで、エライザ自身も13才のときに雑誌『ニコラ』でモデルデビューを果たす。
17才で『CanCam』の専属モデルになり、のちに女優になった山本美月などと共に活躍。
彼女自身も、映画出演を重ねて演技を磨く。
最初のブレークは2015年、鬼才、園子温監督の『みんなエスパーだよ』のヒロインを演じたことだった。
この映画を観た人であれば、まさか、あの子がこんなに出世するとは、と思うのではないだろうか。
それもそのはず。この映画は基本、B級エロコメディであり、グラビア・アイドル全員集合といった内容である。
池田エライザも似たような役どころで、セクシーなシーンにも挑戦している。
だが、その一方で、園監督作品らしい重厚なテーマもある作品だ。
彼の映画の魅力は、バカバカしさと思慮深さがものすごいギャップで混在している点にある。
園監督といえば、2009年の『愛のむきだし』がベルリン映画祭で高く評価され、ヒロインを演じた満島ひかりはその後、10年間で日本を代表する本格派女優にまで成長した。
しかし、そんな満島も『愛のむきだし』ではパンツ丸出しでおバカな格闘シーンを繰り広げていた。
池田エライザも今後、本格派女優になることを予感させるタレントの持ち主だ。
もし、本当に満島のようになったら、園子温は今後、ますます自身のエロコメ映画に美人若手女優を呼び込むことができるだろう。
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親指姫と乙姫の共通するエライザ・ポーズと菜々緒ポーズ
池田エライザは、セルフ・プロデュースで草の根的に人気を得ていった人としても知られる。
Twitterの草創期からTweetを活用して、ファンを地道に増やしていった。
自身も病気だったというほど自撮りテクに磨きをかけ、可愛いセルフィーをアップし続けた。
そんな中、エライザ・ポーズが生まれる。
Google画像を見れば分かるが、あごを指でつまんで唇を突き出すポーズである。
一般人も有名人もこれを真似て、大流行したようだ。
だが、ここにはアヒル口が大好きなブリッコ女子への皮肉が垣間見える。
エライザ・ポーズの根っこには、カワイイ文化への違和感があるように思える。
その証拠に、エライザはこのポーズをするとき、よくワイルドに唇を突き出す別ポーズも繰り出している。
アヒル口を強調して見せることで、エライザは多くの女の子に男にこびることのない本当の自分らしさを問いかけていたのではないか。
それもあってエライザ・ポーズは大流行したのだと思える。
そう言えば、auで共演する菜々緒にも、菜々緒ポーズというものがある。
ご存知の方も多いだろうが、長い脚をクロスさせて前屈し、ヒップを突き出すポーズである。
これは完全に男の欲望にこびたものだが、逆にそれを強調しているからこそ、男たちをからかう自立した女性像をも感じさせる。
菜々緒とエライザ、やはり2人は親子なのである。
エライザは、18才のときに写真集『@elaiza_ikd』を出した。
それもクラウド・ファンディングで、あえて出版社を介さずファンと直接繋がる形で出したのだ。
写真集は大ヒットし、今ではプレミア価格がついているという。
彼女は現代っこらしく民主的な草の根活動で、着実に人気を得ていったのだ。
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池田エライザ23才の女優が映画監督でビュー!
池田エライザの最も興味深い点は、小説などの創作アートに魅かれている点だ。
彼女のお気に入りの小説家は何と、寺山修司なのだそうだ。
これに安部公房や大江健三郎などが加わると、完全な昭和の文学少女である――もし両氏の著作の愛読者でもあるのなら、エライザはいつか又吉直樹のようになるだろう。
「もっともっと歳をとったときに、
50編の短編小説を上下巻出せたらと思っています」
とあるインタビューでも語っている。
そんな文学少女ぶりは、作品選びの良さにも表れている。
地上波TVで深夜放送された『ぼくは麻理のなか』では、二重人格のヒロインの一方をみごとに演じた。
映画でも『ルームロンダリング』やリングシリーズの『貞子』に主演するなど、演技派女優まっしぐらという感じである。
しかし、最も驚くべきことは、映画の初監督にチャレンジすることだ。
私は相当な映画マニアだが、23才の若手女優がそんなことをした例は、世界を見渡しても他にない。
映画24区が手がける「ぼくらのレシピ図鑑」シリーズ第2弾として制作される映画で監督を務めるという。
この企画は、地方の自治体の協力の元、地域密着型の映画を作るもので、エライザは故郷である福岡県の田川市を舞台にして、男子高校生の物語を撮るのだそうだ。
プロデューサーは、彼女にものづくりの精神があると語り、製作に自信を見せている。
印象として、ぴあ主催のPFFアワードの受賞作のような低予算の素朴な映画ながらエッジのある作品になるのではないか。
エライザ自身も出演して映画を盛り上げてほしいものだ。
彼女はあるインタビューで自身の個性についてこう答えている。
「根っこがネガティブで、そこから這い上がるので、思考はポジティブ。
~ネガティブでコンプレックスが多いと、よくしようという過程で色々と学ぶんですよ」
auのCMで彼女が小さな親指姫を演じているのも、これから大きくなろうというネガポジな気持ちの表れなのだろうか。
久しぶりに現れた未来が楽しみな女優である。
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