今回は銭湯や温泉での「タトゥーお断り」について、掘り下げて紹介していきたいと思います。
なんとなく当たり前のような感じで受け止めていた内容ですが、国際的な社会になった今では疑問に思う方もいるかもしれません。
また訪日客も右肩上がりで増えていますよね。
そしてこのまま2020年にはオリンピックが東京都で開催されます。
当然、多くの外国人の方がやってくるでしょう。
外国人の方が増えた背景もありますし、それ以外でも日本人の方がファッションとしてタトゥーを入れるようになりました。
なぜ「タトゥーお断り」なのか?
銭湯や温泉側の立場でも考えてみましょう。
また、タトゥーが入っている人への対応もしっかりと取られているところも多くあります。
現状ではどのような対応としているのか?
その辺りも見ていきましょう。
オリンピック開催で、より国際色強まる状況ですので気になる疑問を1つ解消していきましょう。
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銭湯などでタトゥー禁止なのはなんで??
まずはそもそものところからです。
なぜ銭湯などでは「タトゥーお断り」としているのでしょうか?
これは日本の感覚や考え方から来ているんですね。
今でこそタトゥーはファッション感覚となっていますが、少し昔は違いました。
タトゥーとはつまり刺青ですよね。
それを入れている方は、やはりその筋の方という認識でした。
銭湯などは、より多くの方に足を運んでもらいたいというのが前提なんですね。
刺青の方はマナー良く入ってくれたとしても、威圧感がどうしても出てしまうでしょう…
刺青の方がどうこうというよりは、そのことで人が寄り付かなくなるのが困るというのが理由なんです。
そのためちょっと前までは「タトゥー(刺青)お断り」は当たり前でした。
裸になる場所なので隠しようもないですからね。
ただ今は違いますよね。
外国の方であれば文化自体が違います。
日本の方も価値観が変わってきてるので、ファッション感覚の方からすれば「なんで??」となるのも分かる気もするんですよね。
個人的には和彫りに限らず洋彫りなど幅も広くなりましたし、アーティストの方はタトゥーの入っている方も多いのでファッション感覚にも納得するんですけどね。
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銭湯は実はタトゥー(刺青)お断りは出来ない??
ここまで何気なく銭湯「など」と書いてきました。
実は同じように裸になったり、肌を出す施設でも「タトゥーお断り」をして良いところと出来ないところがあるんです。
意外と知らない方が多いのが、この部分なんじゃないかと思います。
そして、この違いというのは利用目的によって区別されているんです。
利用目的が「入浴」か「娯楽」かで判断が異なってきます。
銭湯は利用目的が入浴です。
しかし、スーパー銭湯やプールは利用目的が娯楽なんです。
どういうことなんでしょう?
「入浴とは最低限の生活を送るための行為であり、銭湯側がそれを拒否すると、その人の生存権の侵害になりかねない。」
というのが、法の解釈上で存在します。
つまり人間らしく生きるためには、入浴というものは最低限必要なものであるということなんです。
そして、最低限必要なものを断ることは原則出来ないということにもなります。
入浴が目的となる銭湯は、これに当てはまるんですね。
人間として最低限に必要な行為を断ることは違法になりかねないと。
一方のスーパー銭湯、プールは娯楽が目的なので断っても問題はありません。(法的にですが)
そのため昔ながらの銭湯では、刺青お断りをしていないところもあります。
また温泉施設でも、最近ではお断りをしなくなったところも増えてきましたね。
タトゥーについて政府の見解は?
それぞれの見解や意見、そして法律などが絡んで難しくなりましたね。
法的な解釈が含まれる時こそ、気になるのは政府の見解ではないでしょうか?
政府も見解を出したことがあるので紹介していきます。
もちろんその答えは、法律にのっとった上での答えです。
そして参考とされた法律は以下2つとなります。
4条:営業者は伝染性の疾病にかかつている者と認められる者に対しては、その入浴を拒まなければならない。
5条1項:入浴者は、公衆浴場において浴そう内を著しく不潔にし、その他公衆衛生に害を及ぼすおそれのある行為をしてはならない。
ざっくり言えば病気をうつすような人、極端に不潔などで施設自体を汚すだろう人や迷惑行為をするであろう人の利用は断りなさいよというこですね。
そしてタトゥー(刺青)に対する政府の見解は
「タトゥー(刺青)があるだけでは、疾病や当該迷惑行為に当てはまると判断するのは困難」と答えました。
また加えて
「危険行為を行う者や泥酔者の判断は、社会通念上のもの。個々の経営者が判断しても法令違反というわけではない」とのことです。
政府に言わせれば、タトゥーや刺青が入ってる人は危険行為を及ぶと社会通念上で判断できると事業者が考えればお断りをしても違反ではないとのことなんですね。
とはいえ、やはり上の生存権の法にスポットを当てると違反となる可能性もあるようです。
弁護士などの専門家ではこちらを主張をする方もいらっしゃいます。
結局のところ法律でもどの法を基にするかで、解釈が変わってしまうようなんですね。
思っている以上に難しい問題なのかもしれません。
銭湯などの実際の対応に変化はあるのか?
このように問題として取り上げられる機会があるほどに、タトゥー側が文化として昔よりはるかに受け入れられてきたとも言えます。
また文化の違いがある外国の方を含めれば、さらに多くの対象者がこの問題にぶつかるのでしょう。
では実際には施設側はどのような対応をしているのでしょうか?
そのままお断りのところもあれば、お断りをやめた施設もあります。
具体例を見てこの辺りのことも知っていきましょう。
官公庁が施設にヒアリングを行った結果、施設側の対応は大きく分けて3つだそうです。
1つ目は、シールなどでタトゥー部分を隠して入浴をしてもらう。
2つ目は、家族連れなどが多い時間を避けて入浴するように促す。
3つ目は、貸切風呂や部屋風呂での入浴を促す。
このように外国人の方の満足度を極力下げないまま、日本人の方の社会通念とされるものを守るような対応なんですね。
まったく断っているわけではないですし、その他のお客さんへの気遣いも思えばこのような対応となるのも頷けるような気もしますね。
ちなみに実際に温泉施設などで、入浴に関するトラブルが起きた時の警察の対応はその都度に個別に対応しているそうですよ。
警視庁なども、これといったガイドラインがあるわけではないみたいですね。
銭湯などのタトゥーお断りの理由は?実は複雑な問題だった?〜まとめ〜
今回は銭湯や温泉施設などでのタトゥーお断りについてを紹介してきました。
国際化した社会や、新たな文化を考えると一筋縄では行かなくなった問題といえるんですね。
ましてやオリンピック開催が迫る中、多くの外国人の方が訪日することを考えると問題の着地地点が欲しいと思います。
紹介してきたように、今の法律などでは一律とすることは難しい部分があります。
個人的には外国人の方の多くに入浴をしてもらいたいと思うので、タトゥーお断りは緩めて欲しいですね。
ただ日本の文化や価値観をマルッと変えるのも難しいですし、それが良いこととも思いません。
タトゥーなどの方の専用の施設を作るなどして、対応できたら良いんじゃないかとも思います。
現状の対応では外国人の方の満足度を下げる可能性がありますからね。
どちらを取るというようなことではなく、受け入れ側も利用者も理解ができるしっかりしたガイドラインが欲しいところです。
せっかくのオリンピックももう間も無くとなります。
つまらないニュースとならないように、1つビシッと決めて欲しいと思うことの1つです。
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