「2020年までにプラスチック製ストローを廃止する」
このように大手コーヒーチェーンのスターバックスの宣言したことをご存じの方も少なくないでしょう。
今回はこの方針をちょっとだけ深堀して、廃止を目指すことになった経緯を。
そして、廃止のメリットや問題点を考えてみたいと思います。
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廃止を目指すことになった経緯
そもそものきっかけは、苦しそうに呼吸するウミガメの鼻からプラスチック製のストローが見つかったことです。
2015年8月、テキサスA&M大学の研究者チームが調査活動中に息苦しそうにしているウミガメと遭遇するところから物語は始まります。
彼らはウミガメの鼻に“何か”が詰まっていることに気付きました。
研究者チームはウミガメを助けようと“何か”を引っ張り出したところ、10cmにも及ぶ、プラスチック製のストローが出てきたのです。
この様子は「Sea Turtle with Straw up its Nostril – “NO” TO PLASTIC STRAWS(鼻にストローが詰まったウミガメ-プラスチックのストローはもうやめて-)」という動画として全世界に発信され、すでに三千万回という再生回数を重ねています。
動画には、「How can a straw go that deep into a nostril?? I feel so sorry for the turtle(どうして鼻の奥なんかにストローがあるの? カメがとってもかわいそう!)」、「OMG the sea turtle is crying and I’m crying to(ウミガメが泣いてるよ。僕も今、涙が止まらなんだ)」など共感のコメントが寄せられ、私たちが廃棄する“何か”が、環境を破壊し、動物たちを苦しめているという事実を再認識することになったのです。
現在、様々な国と地域、政府と企業が、プラスチックによる環境破壊を止めるために動き出しています。
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プラスチックストローの問題と全面廃止や使用禁止などは私たちにとって……
では、私たち“人間”がプラスチック製のストローを使わなくなることで得られえるメリットはあるのでしょうか?
実はあるんです。
それも、「冷たいドリンクを飲むときにストローがないと唇が冷たい」と思っている人でさえ、「もう、ストローを使わないようにしよう」と思ってしまうかもしれないメリットです。
ストローを使うとお腹にガスが溜まったり、それによってお腹が張ったりするという話を聞いたことはないでしょうか?
コップやグラスから飲む場合と違って、ストローを使うと“吸う”という作業が必要になります。
人によってはこの動作が、お腹にガスをためる原因になってしまうのです。
また、ドリンクが1か所に集中的にあたるために、ストローの利用で虫歯が弱くなってしまうともいわれています。
甘い飲み物の含まれる砂糖は虫歯の主な原因であるミュータンス菌が歯の表面に付着する手助けをしてしまいます。
また、炭酸飲料に含まれているH-は直接歯を溶かすように作用してしまいます。この作用がストローで1か所に集中すると、確かに虫歯になりそうですよね。
どうでしょうか?
もしもあなたがお腹が張っていることに悩んでいて、歯磨きをしているのに虫歯が出来てしまうことに困っていたなら、少しくらい「唇が冷たくても」いいやと思いませんでしたか?
でも……
でも、世の中にはプラスチック製のストローがなくなると、「唇が冷たい」だけでは済まない人たちもいるのです。
その代表は、何からの障害で、カップを手で持って口元まで運ぶことが難しい方々です。
彼らにとってプラスチック製のストローは、ドリンクを楽しむための生命線です。
プラスチックストローを廃止するといっても、廃止するケースをよくよく検討しないといけませんよね。
プラスチックストローの何が問題なの?全面廃止や使用禁止などの理由の最後に
現在、様々な企業がプラスチック製のストローを廃止するためにドリンクのパッケージを検討しています。
プラスチックとは異なる、自然に帰る素材でストローづくりを試している企業もあります。
その昔、ストローはその言葉通り麦わら(straw)を使っていました。
昔のように自然に帰る、それでいて今日のように飲みやすい、そんなストロー(straw)の登場が待たれます。
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