白血病を公表した水泳の池江璃花子選手について、
連日、さまざまな報道がなされている。
その中で、1つ最も重要なことが見過ごされている。
なぜ、彼女は白血病になったのか。
この1点についてはマスコミはもちろん、
ネット上でさえほとんど触れられていない。
(池江・白血病・原因・責任)と
キーワードで絞っても、
上位30サイトにそれらしき項目はほぼない。
意図的にそういうネガティブな見方を、
排除している闇の検索管理組織でもあるのだろうか。
ここには、多くの日本人の心理が透けて見えるようだ。
池江選手が白血病になったのは、
ただの偶然、あるいは遺伝疾患などの何か個人的な問題からなのではないか。
多くの人は無意識にそう片づけ、
原因究明については取るに足りないこととしてスルーしているのではないだろうか。
このことに限らず、日本には大昔から大問題が起こるたびに、
事なかれ主義か、個人に問題を押し付ける無責任体質が色濃く残っている。
池江璃花子は10年か20年に1人と言える日本水泳界のスーパースターだった。
その彼女がまだ18才なのに、白血病と言う命に関わる重病に陥った。
この一大事についてただの偶然だとか、
彼女個人の問題だとかと簡単に片づけていいのだろうか。
ここでは、その原因を探り、今後、この教訓をどう生かしてゆくかについて書いてゆきたい。
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科学的には原因が特定できない白血病
まず白血病についてシンプルに理解しよう。
白血病はまず血液のがんである。
人の血の出所は骨であり、
骨の中の骨髄が血液を造り体全身に送り出している。
骨髄の中には血を作り出す大元の幹細胞があり、そこから血の3成分、白血球、赤血球、血小板が生み出される。
白血病とは、幹細胞から3つの血液成分に行くまでの間の細胞が、がん化、つまり狂ってしまう病気だ。
白血病は主に2種類、
リンパ性白血病と骨髄性白血病がある。
がん化した細胞が白血球中にふくまれるリンパ球になる場合、リンパ性となり、それ以外のもの、リンパ球以外の白血球とその他2つになる場合、骨髄性白血球と診断される。
池江選手がどちらの白血病なのかは、
現段階では公表されていない。
白血病は症状がソフトな慢性と緊急性の高い急性の2つにも大別されるが、
この点ではTVに出演する多くの専門医が、
彼女の症状などから見て急性白血病だという意見で一致している。
そして、白血病の原因は、医学的には未だほとんど分かっていないようだ。
リンパ性の場合、ウィルス感染くらいしか分かってなく、骨髄性の場合、タバコなどにある発がん性物質や自然の中にある放射線、また医薬品などが原因として上げられている。
だが、いずれにせよ具体性に欠ける。
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普通の感覚が導き出す真相
医学的に見れば、
池江選手の白血病の原因は特定できず、
今後も未解明なままである可能性が高い。
では、ただの未解明な自然現象のように片づけていいのだろうか。
医学でも解決できないのであれば、
原因究明などまったくのムダな努力になるのだろうか。
連日、TVには専門医が出演しているが、
その中の1人はストレスが原因で白血病が起こりうると明言していた。
医学や科学の目で見なくても、
何かの原因がはっきりと分かることがある。
それは普通の感覚によって導き出されるものだ。
池江選手は、東京オリンピックに向けて、結果を求められ、過度なストレスを受けてはいかなかったか、あるいは金メダルを獲るためにオーバーワーク、過重なトレーニングを受けていなかったのか。
水泳選手のピークは一般的に21才から25才である一方で、池江選手はまだ18才である。
それなのに来年の東京オリンピックで金メダルを獲るよう、ムリに急がせてはいなかったのか
こういったことが普通の感覚で考えられる原因である。
もちろん、科学的には何の根拠もない。
だが、多くの場合、問題解決において、こういう普通に考えて分かりそうなことが大きなカギになる。
科学だけが真実にヒモづけられた絶対の解決策ではないのだ。
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筋力アップへの大転換!多すぎる大会エントリーと高地合宿
池江選手は去年の6月ごろ、
コーチを三木二郎コーチに変更し、
大々的な筋力アップを図った。
バタフライの体のうねり方に顕著なよう、
彼女の水泳技術は世界でもトップ級だった。
が、その一方でパワー不足があり、
陸上のウェイトトレーニングを熱心にやるようになったのだ。
結果はすぐに出た。
去年、アジアの五輪と言われる
『アジア大会』で日本人史上初の金メダル6冠に輝き大会MVPになったのは記憶に新しい所だ。
だが、そこにも彼女が重病に至った原因が秘められている。
池江選手はこの大会で個人と団体、
合計8種目、14レースに10日ほどの期間で挑んだのだ。
大会後、彼女は疲労で続けられないのではと思ったこともあるともらした。
もちろん日本人選手でそれほどエントリーした選手は他にいない。
日本水泳界は池江璃花子の才能に頼りすぎてはいなかったのか。
彼女の恐るべき複数エントリーはこの大会の前からずっと続いていたことである。
目の前のメダルが欲しくて、ムリに彼女を起用してはいなかったのか。
また、外国での高地合宿の多さも上げられる。
空気の薄い所での練習はトップアスリートに欠かせないものだが、その頻度は多くなかったのか。
美貌の人気者ゆえ、池江選手は合宿に行くたびにTVの特集が組まれていた。
私もそれを何度も見たが、去年、その数はかなり多かった。
去年の10月、世界一の女子スイマー、サラ・ショーストロムと共に練習したトルコ合宿では1つ気になることがあった。
練習後、池江選手は疲労回復のため、スポーツビキニ姿でアイスラボという冷凍サウナに入った。
そこは何と氷点下110℃の世界。おそらく地球上にそれほど寒い場所はないだろう。
そこに2分間入っている間、彼女は「死ぬ死ぬ」と言いながら飛び跳ねていた。
今になって見ると、それはかなり痛々しく見える。
それは彼女が望んでやったことなのかも知れない。
だが、コーチやスタッフは、こういうムリを彼女にさせていなかったのか。
今後、検証が求められる。
スタッフが選手の強気を尊重しすぎ? 羽生選手の事故との共通点
池江選手の白血病には、もちろん彼女個人の問題もあるだろう。
『アジア大会』の最中、彼女は何度も他の選手には絶対に負けたくないと強く口にしていた。
その負けん気の強さというものが、
オーバーワークの原因にあったとも見れる。
だが、彼女はまだ18才の子どもである。
それをスタッフ、コーチが抑制すべきではなかったのか。
数年前、フィギュアスケートの羽生結弦選手が事故にあったことがある。
大会の直前練習中、リンク上で他選手と衝突し、脳しんとうを起こしたのだ。
だが、数分後、羽生選手はリンクに再登場し演技を披露した。
その後、日本で大バッシングが起こった。
なぜ棄権させなかったのかという意見が噴出したのだ。
スタッフは羽生の強い要望だったと自己弁護した。
だが、脳しんとうはすぐに精密検査をしなければ重い後遺症が残る可能性もある重病なのだ。
問題は若い羽生の強情さではなく、それを抑制できなかった回りの大人にあったのだ。
池江選手の白血病に関しても、そういうことがなかったのか。
あまりに選手の意思を尊重しすぎてはいなかったのか。
羽生も尊敬するフィギュアスケートの皇帝、プルシェンコは羽生の事故後、彼に叱咤激励を送った。
自分の命より大切なものなどない。
オリンピックや金メダルでさえ、命の前では小さなものだ。
今後は絶対にムリをするな。
彼はこういったコメントを発表したのだ。
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求められる原因追求と新たな取り組み
これは現在の池江璃花子にも言える。
今はオリンピックのことも水泳のことも一切考える必要はない。
TVでは連日、白血病のサバイバーが出て、生還が可能であることを訴えている。
だが、血液のがんという名の通り、命を落としてもおかしくない病であることに変わりはない。
今後、日本水泳連盟を始めとした原因追求が求められる。
それは関係者に責任を取らせること以上に、これから二度とこのような悲劇を繰り返さないためにこそ重要な取り組みだと言える。
すでに、女子アスリート全員に定期的な血液検査を受けさせることが、正式に取り上げられているようだ。
白血病において、抗がん剤治療はさけられない。
それに伴い髪の毛を失ったりムーンフェイスと呼ばれる顔面膨張があったりすることも考えられる。
池江選手のような10代の女の子にとって、その精神的ショックは計り知れないものだろう。
池江選手には、ただ生き残るという強い思いだけを持っていてほしい。
水泳界やオリンピックや日本について、全く考える必要はない。
ただ、目の前の自分の命とそれを守ってくれる人たちだけに目を開いて日々を生き抜いて欲しい。
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