世界中で「Stay Home」が叫ばれ、日本でも「巣ごもり」が飛び交う中、在宅ワークが一気に脚光を浴びるようになった。
今、首相や都知事が推奨するテレワークも在宅ワークとほぼ同じ意味だ。
だがここでは会社組織に属していないフリーランスの請け負う在宅ワークについて書きたい。
フリーの在宅ワークは職歴や学歴や専門知識がなくてもネット環境とパソコンさえあればできる仕事だ。
この巣ごもり時代の最良のサバイバル方法ともいえるだろう。
だが、フリーの在宅ワークはほとんどの人が思っているほど楽な仕事ではない。
データ入力は初心者に一番人気の作業だが、それもまた例外ではないのだ。
私自身、WEBライター(ブログライター)を生業にしており、その経験をふまえ在宅ワーク初心者に仕事の選び方や契約時に注意すべき点を記しておきたい。
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在宅ワークの注意点!労力と報酬が不釣合いな理由
テレワークと違いフリーの在宅ワーカーは、どんなに頑張っても最初の月収が5万円を超えることはないだろう。
週に5日・日に8時間近く働いてもそれ以下になる可能性が高い。
時給換算すれば1時間200円だったなんていうこともざらにある。
始める前にまずここを覚悟しておかねばならない。
いくら自宅で出来て時間制約のない仕事でもこれはあんまりだと思う人は止めた方がいい。
私は『クラウドワークス』のWEBライターであり、今まで50件以上の依頼・記事数300ほどの仕事をこなしてきた。
その経験からいえば年月を重ねても状況が大きく変わることはない。
『クラウドワークス』で固定報酬制という一般的な受注を請け負った場合、初心者は大体1記事2000文字で1,000円ほど。
800円くらいなのもざらにある。
その1記事にかける時間は人それぞれだろう。
だがベテランでも丁寧にやれば納品までに4~5時間はかかる。
商品紹介や映画レビューなどのWEBライティングの場合、リサーチと構想に90分・執筆とリライトに90分・データや画像の入力に1時間。
修正依頼があればさらに1時間かかる。
そう、WEBライティングのほとんどは文章以外のことも求められるのだ。
しかも多くの場合、執筆ルールがあるので規定の文字数では書ききれない場合がほとんどだ。
共起語と呼ばれる検索にかかりやすいワードを10個以上文章に入れたり、6つ以上の見出しを作ったり、そういうルールを守れば実際には毎回3000文字くらいになるものだ。
フリーの在宅ワークとは特に仕事始めには苦労がほとんど報われない職業だといえる。
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在宅ワークの求人で報酬を上げるためには?
『クラウドワークス』などでは初心者に限らず月収に5万円の壁があるといえる。
最たる要因はプラットフォーム使用料であり、クラウドの場合は2割も取る。
5万円稼いでも1万円引かれ、実質5万円に届くには6万5千円以上稼がねばならない。
さらに企業がバックにある高報酬のクライアントの場合、契約時に1割の源泉徴収を義務付けていることが多い。
となれば5万円の稼ぎでも手取りは3万円5千円にまで落ちる。
そして指定の銀行口座以外の振込みには500円もの手数料がかかる。
繰り越し制度があるので報酬が少ないうちは数ヶ月貯め込んだ後に振り込み申請した方が良い。
クラウドに限らず『ランサーズ』や最近流行りの『note』などでも似たような徴収システムを取っている。
そんな中で報酬を上げるには、やはりプラットフォームを介さない契約を結ぶことが必要になる。
数ヶ月仕事をする中で信頼関係を結べたなら直接契約をもちかけてみるといい。
大抵は『Chatwork』を通すようになるので、フリーの在宅ワーカーは始める前にここで無料の利用登録をしておくといいだろう。
在宅ワークのデータ入力は効率的だが疲弊感も
初心者の在宅ワーカーに人気なのがデータ入力である。
クライアントがGoogleドキュメントなどに作った文書テンプレに、ワーカーが商品仕様や売り上げ伝票などの数値を入れてゆく作業だ。
データ入力はリサーチ準備なしに取り組め、頭をほとんど使わないで効率的に作業を続けられる。
だがその分、報酬が少なく、重労働感が伴う仕事でもある。
データ入力は正確性がすべての作業なので極度の集中力を使い、何度もチェックし直す必要もある。
私も商品紹介のサイトで部分的にデータ入力をやっているが、この作業が一番つらい。
機械的な作業なのでただただ疲弊させられる。
この後に商品紹介の文章に移ると一気に気分は上がる。
というのもライティングはルールの中でも書き手の裁量・自由が許されているからだ。
それが一般にも仕事のやりがいの核心にある。
とはいえ時短で効率的に稼ぎたいという真面目な人には在宅ワークとしてデータ入力は最適なのではないか。
在宅ワークで最も注意すべき理不尽なクライアント!
ほとんどのクライアントにとって在宅ワーカーの最大の魅力は「安価な即戦力」という点になるだろう。
クライアントは基本ワーカーに問答無用ですぐ仕事をして欲しい。
だからこそ自己主張するワーカーはタブーになる。
クライアントは時間の無駄になる議論はしたくない。
もしあなたが何か不合理なダメ出しや不当な評価を受けたなら、議論を挑むことなく何でも理由をつけて自分から辞めればいい。
在宅ワーク最大の魅力は仕事が無数にあることで転職がより自由にできることだ。
またそれまで身につけたスキルは次の仕事にも必ず生かされる。
後味が悪くなるケンカ別れよりも自ら身を引いた方が精神衛生上においても絶対にいい。
在宅ワークの求人の注意点である委託業務契約の闇
在宅ワークの多くはフリーゆえに犯罪被害に遭うこともある。
ステマなどの詐欺商法に加担させられたライターのニュースはたまにTVで報じられる。
だがそういう仕事の大半はあまりに楽にもうかる作業なので簡単に見抜ける。
しかし搾取系の仕事の方は中々そうはいかない。
一定期間、仕事をさせられた後に不合理な理由で解雇されかつ賠償金まで請求されるケースもある。
搾取系のクライアントは大抵、最初に30記事以上書けば報酬UPなどの「昇給あおり」があり、かつ事前にワーカーと「委託業務契約」を結ぶ。
この委託業務契約というのが怪しいのだ。
在宅ワーカーは基本クライアントと買い取り契約を結ぶ。
ワーカーは書いた記事を商品として相手に納品するのだ。
なので雇用契約はなくクライアントはいつでもワーカーを切れる。
そして委託業務契約があれば欠陥を理由に過去に買い取った商品・記事をワーカーに返品し、返金要求することもできる。
委託には瑕疵<かし>担保責任(2020年春から「契約不適合責任」に名称変更)条項があり、買取側の返品・返金要求の権利が厚く保証されているのだ。
しかも買い取るクライアントは自社のライティングルールなどの守秘義務を持ち出し、返品理由を明かすことさえしないこともある。
この場合、あまりに不合理な要求なのでワーカーが裁判を起こせば勝てる可能性は高い。
だがほとんどのワーカーにはそんな金銭的余裕はないだろう。
なので結局、泣き寝入りすることになる。
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まとめとクライアントが健全かを試す3つの返品条件
どうしてもやりたい仕事でこの委託業務契約の受諾が必要なのであれば、「返品・返金要求」に関して次の点で労使が合意しておくべきだ。
・返品が契約時以降に出てきた「後出しの自社ルール」に基づいた不当な判断ではないこと
・返品された記事をワーカーが再び納品物になるように改稿する権利が保証されていること
・返金要求の際には、いかなる場合であってもそれ相応の理由を示さなければならないこと
この3点を持ち出せば、搾取系のクライアントは必ず契約から逃げ出すだろう。
つまりこれはそのクライアントが健全であるかどうかを試す条件でもある。
気づかれた方も多いだろうが、私はみごとにこれに引っかかったことがある。
一部の記事の返品で済んだのだが同様の被害者を出したくない思いでここまで書いてきた。
今後、在宅ワークなど一回限りの仕事を請け負ういわゆるギグワーカーは確実に増えてゆく。
それは世界的な規模であり、さまざまな国でワーカーの権利保障が叫ばれるようになった。
巣ごもりの月日を経て、日本でもフリーの在宅ワーカーのさまざまな権利が認められるようになればと願うばかりだ。
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