皆さんは「劇場型詐欺」という言葉を聞いたことがありますか?
もし聞いたことがない方も「オレオレ詐欺」なら聞いたことがあるのではないでしょうか?
「劇場型詐欺」とはこの「オレオレ詐欺」などに使われる手口で、より組織的に被害者を信用させて騙す巧妙な手法なんです。
「劇場型」と付くように多くの登場人物が出てくることが特徴となります。
そして、人は次から次へと登場人物が出てくると騙されやすくなってしまうんです。
かつての「オレオレ詐欺」と比較すると、より組織的で巧妙で悪質なものと言えるでしょう。
でもいかに巧妙になろうと、詐欺に対する正しい知識を持ち合わせていれば被害を防ぐことができます。
「劇場型詐欺」とはどんなものか?
なぜ劇場型だと騙されやすくなるのか?
今回はこの「劇場型詐欺」について紹介したいと思います。
そして被害防止に役立てて頂ければ幸いです。
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劇場型詐欺ってなに?その特徴は?
劇場型詐欺とは複数の詐欺師が様々な役を演じて被害者を騙す、組織的な詐欺行為のことを指しています。
その役とはターゲットの家族、被害者、警察、弁護士などです。
こうした役を演じた詐欺師たちから、次から次へと電話かかってくる状態になります。
そしてこの状況が続くことで、ターゲットはやがて本当に家族が被害に巻き込まれていると信じてしまうのです。
このように複数の人物から電話がかかってくることで、本当に事件が起きていると錯覚しやすくなるのには理由があります。
それは人間の持つ心理のうちの「社会的証明」のためなんです。
社会的証明とは自分と異なる意見を周りの多くが口にしていると、そちらの意見の方が正しく思えてくるというものとなります。
詐欺師たちは、この社会的証明を上手く利用するために複数の役を演じるんです。
「みんなが言っているのだから、そちらの方が正しい」と思い込ませる手口となるわけですね。
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劇場型詐欺ではオレオレとは言わない
オレオレ詐欺はその名の通り「俺だよ、俺」と言うことで、被害者家族を装うことが特徴でした。
こちらは名前の通りの特徴であり、その手口が多くに知れ渡ったために被害は減少しています。
しかし劇場型詐欺では「俺、俺」などと言うことはありません。
ここ最近の詐欺師たちは、とことんターゲットについてのリサーチをしています。
ターゲットの家族の名前はもちろん、職業や勤め先や学校などまで調べているんです。
さらには持病や悩みまでもリサーチ済みのことも多く、家族しか知らないだろうと思われることまで情報を手に入れているパターンが多く見られます。
かつての「オレオレ詐欺」とは異なり、詳細に入念に情報を調べあげた上で詐欺行為を働くので騙されやすくなっていることが特徴と言えるでしょう。
劇場型詐欺に必ず登場する三役とは?
今回の「劇場型詐欺」では三役係という特徴的なものが存在します。
劇場型詐欺を演じるためのシナリオに合わせて、必ず3つの役が存在するのです。
手口が進化をしていますが根本は「オレオレ詐欺」となります。
そのため三役のうちの1つには、必ず家族の役の詐欺師が登場します。
上に書いた入念なリサーチと、すすり泣いたり風邪をひいている設定となるため電話越しでは本人かどうか?が判別不可能なんです。
しかも登場人物の中でもっとも登場回数や時間を、わざと少なくしています。
次に三役のうちの2つ目の役は被害者役です。
この役の役割はターゲットへ恐怖心を植え付けることとなります。
脅し文句を並べ、逮捕や裁判といったワードを使うのです。
とにかくターゲットへ最悪の想定を想像させ、逮捕や裁判で負けたら多額の慰謝料を払わされることを恫喝します。
ターゲットの冷静さを奪い、不安を押し付けるための役なんです。
最後に三役のうちの3つ目の役として、救いの手を差し伸べる役が登場します。
既に冷静さを失い、不安に押し潰されそうなターゲットの元に弁護士や警察を装った詐欺師から電話が来るのです。
この役はあくまで冷静であり、お金さえ払ってしまえば全て解決するということをターゲットへ植え付けます。
最終的に冷静さを失い、助かりたいと思うようになっているターゲットはお金を払っての解決にすがってしまうのです。
劇場型詐欺の手口は電話に限らず
劇場型詐欺が組織的であり、より巧妙に悪質化していることが伝わったでしょうか?
手口が分かれば防げますし、なんにせよ怪しい電話は応答しなければ良いんでしょ?と思うかもしれません。
オレオレ詐欺からの進化として位置するので、電話を使う事例が多く取り上げられます。
しかし電話以外での手口にも用心をしておかないと、ここまで分かっていても被害に遭う可能性があるのです。
その電話以外の手口とは「ハガキ」による手法となります。
入り口が電話かハガキかの違いなのですが、最近での被害相談ではこの「ハガキ」からの手口のものが急増しているんです。
アナログなものだからこそ信じてしまうのかもしれません。
しかも実際の被害例を見ると、ハガキの送り主は「法務省 お客様センター」などとなっているみたいです。
法務省にこんな部署はないのですが、ハガキでこんなものが届いたら何もなくてもドキッとしてしまいますよね。
さらに巧妙なのが、不安に思いとりあえずハガキにある電話番号に電話をした時に繋がる相手です。
弁護士を名乗る詐欺師に繋がるのですが、この詐欺師が名乗る弁護士の名前は実際に存在する弁護士の名前と一致します。
つまり詐欺師たちは弁護士会に登録された実在する弁護士の名前を調べ、架空の弁護士ではなく実在する弁護士を装い詐欺を働くのです。
これならターゲットが怪しく思い、弁護士の名前をネットなどで調べても実在する弁護士がヒットします。
このことで信憑性が増してしまうのです。
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劇場型詐欺とはオレオレ詐欺の進化したカタチ?〜まとめ〜
ここまで読んで頂いてお分かりになったと思いますが、最近の詐欺の手口は巧妙に進化しています。
より組織的となり細かいリサーチをするあたり、かなり悪質でもあると言えます。
当然、怪しい電話は受けないだけでも被害は防止できるでしょう。
しかし、その他のハガキ経由などの手口にも注意が必要です。
このハガキによる被害は、2017年度では前年度に比較して60倍の件数の被害が報告されています。
詐欺のことを知り、怪しいと思ったら何もしないことが正解です。
もし「怪しい!でも不安…」と思われる方がいれば、必ず警察や専門家に相談してください。
どれだけ進化しようと詐欺である以上、どこかに「怪しい!」はあるはずです。
今回の紹介で少しでも被害の防止に役立てれば幸いと思います。
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