セクハラ、パワハラなど、社会にはいろんなハラスメントがありますが、「パタハラ」という言葉を聞いたことがありますか。
つい最近、カネカの元社員家族のSNSが大きな話題となり、耳にした人も多いのではないでしょうか。
近年では、『ハラスメントゲーム』(テレビ東京系列 2018年10月期)や『エイジハラスメント』(テレビ朝日系列 2015年7月期)など、テレビドラマの中でもパタハラが題材として扱われるほど浸透してきています。
とは言っても、言葉は聞いたことはあるけど、詳しく知らないという人もまだまだいますよね。
そんな人のために、パタハラとは何か、またその事例や相談内容について詳しく解説していきます。
パタハラの被害に遭わないためにも、また、知らないうちに、自分がパタハラをしていた!
なんてことにならないためにも、きちんと知っておきたいですね。
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目次
1.パタハラの定義
2.パタハラの相談内容と事例
3.まとめ
パタハラの定義について
パタハラとは、父親である男性が、子育てに積極的な姿勢を見せることに対して、職場の上司や同僚が、脅したり嫌がらせをしたりすることで、パタニティー・ハラスメント(Paternity Harassment)の略称です。
マタハラの男性版、というとわかりやすいのではないでしょうか。
例えば、男性の育児休業の取得や短時間勤務の希望を認めないことや圧力をかけること。
また、育児休業を取得したために、その後希望しない転勤を命じたり、降格させる。
などの行為をパタハラと呼びます。
「子育ては女性がやるもの」
「育休なんて取ったら出世に影響するぞ」
といった発言もパタハラに含まれます。
イクメンという言葉もすっかり定着し、特に若い世代の男性は、積極的に育児をしたいという人が増えてきています。
その現状と、組織の中に残る古い意識や慣習との間にはズレがあり、そのズレが、パタハラが近年増加している要因だと考えられます。
では次に、実際にはどんな相談内容や事例があるのか、見ていきましょう。
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パタハラの相談内容と事例
日本労働組合総連合会が2014年に行ったパタハラに関する調査では、全回答者1000名のうち、子どもがいる 525 名の中で、職場でパタハラを受けたことがある人の割合は11.6%でした。
そのうち、どのようなパタハラだったかという質問に対する答えは、以下のようになっています。
- 「子育てのための制度利用を認めてもらえなかった」 5.5%
- 「子育てのために制度利用を申請したら上司に“育児は母親の役割”“育休をとればキャリアに傷がつく”などと言われた」 3.8%
- 「子育てのための制度利用をしたら、嫌がらせをされた」1.9%
最近では労働組合への相談も増えています。
兵庫県の労働組合へ寄せられた相談内容です。
3人の子どもの父親である30代男性で、妻と共働きのケースを挙げます。
3人目が生まれた際、職場に育児休暇を願い出たところ、上司に強い口調で「キャリアに傷がついてもいいのか。仕事の担当を変えざるを得ない」と言われるも、約1ヶ月の育休を取得しました。
育休明けに職場へ復帰後は、短時間勤務を申請する予定でしたが、上司に言い出せず、時短制度を使うことは諦めたということです。
次は、最近話題になっている、株式会社カネカの元社員の事例を詳しくご紹介します。
経緯
- 今年1月長女誕生
- 夫婦ともに育児休暇を取得
- 住宅を購入し、4月中旬に引越
- 4月22日に夫が会社に復帰
- 4月23日に、5月16日付での転勤の辞令
- 転勤を1、2ヶ月先まで延ばせないか会社に相談→会社側は却下
- 退職を決め、有給休暇の申請→会社側は却下
- 5月31日付で退職
引越直後で育休明けすぐ、しかも翌月から子供が幼稚園に入園予定という状況で、転勤の辞令が下った上に、転勤時期の相談が拒否されたのです。
男性は、最終的に退職を決めましたが、有給休暇の取得も認められず、会社の示した日付で退職。
その経緯を妻がSNSに投稿したところ、一気に拡散され、話題となりました。
これに対し、カネカが公式サイトに発表した見解では、
「転勤の内示は、育休に対する見せしめではありません」
「事実関係の再調査を行い、当社の対応に問題は無いことを確認致しました」
とし、転勤及び退職に関して、会社としての対応は適切だったと述べています。
この見解に対しても、SNSなどでは、非難の声が上がっています。
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パタハラって何?ドラマ化もする社会問題?事例や定義に相談内容は?まとめ
厚生労働省が6月4日に発表した調査(速報版)によると、男性の育休取得率は6.16%で、前年度より1.02ポイントアップし、取得率は年々上昇はしているものの、まだ1割にも満たない状況です。
そんな中、三菱UFJ銀行は、今年5月に、2歳未満の子供を持つ国内勤務の男性行員に毎年1カ月の育児休業の取得を促す制度を発表しました。
メガバンクでは初の取り組みです。
少しずつではありますが、男性の育児休業の取得や育児参加を後押しする動きも出てきています。
企業側は、男性社員が育児休業を取得しやすくなるよう制度を整えることも大事ですが、制度だけではなく、これまでの古い意識を変えていく必要があります。
育児に関われる期間は限られています。
その貴重な時間を、父親である男性も子どもと一緒に有意義に過ごせるよう、会社側が配慮すると共に、当事者は一人で考えずに、周囲に相談していくことが大切です。
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