日本の歴史上初となる『緊急事態宣言』が2020年4月7日に発令された。
当日は安倍首相の発表が夜の7時から地上波TVで全局ライブ中継され、翌日はニュースや情報番組などで要請内容についての議論がなされた。
だが緊急事態宣言を出した政府の真の姿はその裏面にある。
つまり要請とセットになった補償の方である。
補償・給付金を柱にした緊急経済対策は、安倍首相によれば「国民の命と生活を守り抜く」というものらしい。
だが私が見たところ、第一にこれは大幅な税収減を防ぐための緊急対策である。
つまり国が国自身の利益確保のためにやることなのだ。
また年収100万円以下の貧困層の視点も政府の真意を明らかにするものだ。
以下にこれらの根拠を示そう。
そうして経済対策の内訳を示し、今後の給付金や政府の行方を探ろう。
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緊急経済対策の現金給付のトリック
以下に記す金額のデータベースは2020年4月8日朝日新聞の朝刊にあることを前置きする。
緊急経済対策の事業規模は約108兆円。
そのうち給付金は約6兆円・事業者を除いた一般世帯に限れば約4兆2千億円。
これにはさすがに多くの国民が「たったそれだけ」とあきれただろう。
現金給付額は30万円なので単純計算するともらえる世帯数は約1300万世帯。
国立社会保障・人口問題研究所のデータによると2015年の日本の全世帯数は約5300万世帯。
つまり約24パーセント・5件に1件の家しか給付金がもらえないことにある。
30万円という高額にしたのは明らかにこの給付対象範囲のせまさを隠すためのものだと考えられる。
だが、より驚かされる事実は主な給付対象者に住民税非課税世帯・単身年収100万円ほど、4人家族年収270万円以下ほどの貧困層がふくまれていないということだ。
TVでさんざん報じられているよう、メインターゲットは収入半減の中間所得層である。
一方で朝日の紙面には収入減という条件だけで貧困層も給付対象になることが記されている。
だがそれは「ついで感」が強い。
貧困層は確定申告の際、わずかな収入があっても徴税リスクをさけるため無収入と記す傾向が強い。
そのため今回の審査では通りづらくなる。
何より対象範囲の少なさから、貧困層の多くは中間層によってはじき出される可能性が高い。
一方で政府は貧困層へ単身15万円・2人以上世帯に20万円を無利子で貸し出すという方針も示している。
こちらの方が本音だろう。
返済期限が過ぎても貧困が続いていると免除されるそうだ。
だがその審査・免除基準は明らかではない。
いずれにせよ重荷になる借金に変わりはない。
この低所得者層に給付金を出し渋ることに、現政権の真の姿が見える。
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緊急経済対策の現金給付対象者の条件に合わずに見えない3000万人
安倍首相が言うよう、もし本当に国民の命を守りたいのであれば、まずは明日のお金にも困る人に最速で給付するのが筋である。
しかもその数は決して少数ではない。
今回の給付金に関してNPO法人ほっとプラスの藤田孝典はYahooニュースで日々意見を発信している。
その中で彼は
「都留文科大学・後藤道夫名誉教授によれば、生活保護基準以下の貧困層(2012)は約3000万人にも及ぶ」
と指摘している。
今回それほどの数の貧困層がこれだけ破滅的な経済危機において一円も給付されない可能性が高いのだ。
完全な異常事態だが、私の見たところTVの報道番組でこの点を指摘する人はほぼ誰もいない。
ほとんどが中間所得層に限った給付金の話題に徹している。
貧困層はよく見えない人たちだといわれるが、世界的な危機においてもそれは変わらないのだろう。
だが先の数字が正しければ、今日本人の5人に1人が相対的な貧困にあるのだ。
貧困層への支援が薄いことにTVではこんな反論が出ている。
今回の補償は減収額が大きな世帯への支援策だ。
貧困層は生活保護申請をすればいいなどといった意見だ。
だが貧困層はそもそも収入が少ないのでそのぶん減収幅も小さくなる。
なので生活困窮の基準を減収額にすること自体が間違っている。
そしてどんな大不況も貧困層により多くの悪影響を及ぼすものであり、それに無縁な人などいない。
生活保護申請に関すればその審査基準は恐ろしく厳格であり、実施の際は個人の人権をふみにじる面も多々ある。
頼りたくても頼れないというのがその現状であり、今回の大不況時にも貧困層への救済にはなりえない。
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緊急経済対策の現金給付対象者の線引きは良き納税者に戻れるかどうかにある
なぜ、政府は貧困層に給付金を出し渋るのか。
それは彼らに給付金をいくら与えても多くは貧困層のままであり続け、将来的に良き納税者になりえないからだ。
私は政府の本音をそう読み解く。
今回、現金給付の条件において『住民税非課税世帯』というのが最大のキーワードになっている。
それは単身年収100万円・月収8万円以下のため住民税を免除されている貧困世帯のことだ。
現金給付される主な対象は中間所得層。
年収半減で非課税世帯に落ち込む人。
同じく年収半減で非課税世帯収入の倍・つまり単身年収200万円ほどに落ち込む人だ。
要するに、政府や財務省は中間所得層の多くを『住民税非課税世帯』(住民税を払えない人たち)にしたくない――つまりは将来の税収を減らしたくないのだ。
政府が中間層をメインにお金を配るのは、彼らには経済力の土台があり将来的にまた良き納税者になってくれることを見込んでのことだといえる。
結局、政府は第二次世界大戦以来といわれるこの世界的な危機においても救済する国民を経済力で選別し弱者を切り捨てているのである。
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緊急経済対策は正味・数字だけの大盤振る舞い
緊急経済対策の内訳の大枠を見れば、政府の全国民に対する冷たさが読み取れる。
事業規模は約108兆円と大々的に謳っているが朝日の紙面によれば今回の対策に限った実際の規模は約86兆円。
そして財政支出・実際に政府が出すお金は約29兆円に過ぎない。
事業規模のうち最も大きな枠は各種税金の支払猶予額・約26兆円。
財政支出の方は産経オンラインによると融資額・約12.5兆円。
つまり規模と支出どちらもそのほとんどが貸付金である。
さらにその行き先は経営者や事業主であり世帯への生活給付金はたったの4.2兆円である。
産経によるとアメリカは国民一律大人13万円、韓国は富裕層を除く7割の世帯に約5万円から9万円の給付を決めている。
安倍首相は緊急事態宣言の発表の際、国民1人1人に寄り添う態度を感情たっぷりに示した。
だが人の本性と同じく、政治の真の姿もまたお金に表れるのである。
私は今後も追加の給付金があると思っている。
首相や財務大臣も5兆円足らずの給付金ではさすがに国民の反発を買うだろうと予期していたはずだ。
政府は国民相手に値引き交渉をしているのだろう。
最初に最低金額を示し、じょじょに値を上げていって最も安い給付金を引き出そうとしているのではないか。
また最終的に10兆円にでもなったら大盤振る舞いしたような印象を国民に与えることもできる。
だが実際は10兆円でも全然足りないのである。
万が一、給付金がこれで終わりであれば、現政権は近いうちに終わりを迎えるだろう。
国民の多くが命のリスクを抱えたとき、いつの世も権力は瞬く間に崩れるのである。
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