驚きと新鮮さをもたらした「れいわ新鮮組」の舩後氏と木村氏の参議院議員当選ですが、当選したものの登院できないという課題がさっそく突き付けられました。
現在の訪問介護はあくまで日常生活の介護であって経済活動を伴う仕事のサポートは想定されていません。
また国会のバリアフリー化も問題になっています。
障害者の社会進出を掲げるのならば、これらは今後国会だけでなく、一般企業でも問題になる事案です。
国会はこの課題にどう対処していくのでしょうか。
今回はそんな政治に重度の障害を抱える方の社会進出について記事にしましたので、最後まで読んでいただけると幸いです。
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当選を果たした舩後氏と木村氏介助費用はどれくらい?
ASL(筋萎縮性側索硬化症)を患う方達は日本に4500人程いると言われています。
この病は運動神経を伝える細胞が侵される神経の病です。
進行性で、病が進むと呼吸すら難しくなります。
今回当選した舩後氏は自力ではほとんど体を動かせない状態まで進行しているという事なので、24時間の介助が必要になります。
同じ病の他の方の介護費用から鑑みて、毎月100万円近くの介護費用が掛かる事が予想されます。
木村氏も脳性麻痺で首から上と右腕が少し動かせる程度、という状態なので、舩後氏と同じく24時間体制の介助が必要です。
恐らく舩後氏と同じくらいの介護費用が掛かると思われます。
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舩後氏と木村氏が国会に登院するには?
今回のことで明らかになったのは、国会は重度の障害を持った方の登院ができない状態にあったという事です。
障害者の社会進出やら、ダイバーシティといったお題目は、お題目でしかなかった事を可視化してくれました。
この事だけでも2氏が当選した意味はおおいにあったと思います。
今回、議員運営員会は、国会での2氏の介護費用を参院が負担する事に決めました。
つまり2氏の「職場である参院」が負担する事になったのです。
現在、厚生労働省が定める介護の運用ルールでは、主に自宅利用を想定しているため、職場では介護ができない状態になっているためです。
「れいわ新選組」はこの運用ルールを変えて、職場でも公費で介護が出来るよう求めています。
確かに、そうでなければ障害者を雇えるのはごく限られた余裕のある企業だけになってしまいます。
これでは障害者の社会進出は進まないでしょう。
「れいわ新選組」と参院、行政には運用ルールの変更までぜひ踏み込んでもらいたいものです。
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「障害者の社会進出」から考える
今回の参院選で改めて障害者の社会進出の難しさが浮き彫りになりました。
改めて考えてみると、なぜ障害者が社会進出しなければならないのでしょうか。
障害を持った方は、昔も今も変わらずにいるわけです。
社会進出をしなければならないという事は、いったん社会の外に置かれたという事を意味します。
現在の私たちの社会は障害を持った方や、高齢の方を守るべき人々として施設に囲い込んでいます。
当たり前に社会の中に存在していれば、改めて社会進出なんてしなくていいはずです。
女性の社会進出という言葉もあります、女性も社会外に置かれているという事でしょうか?
じゃあいったい「この社会を運営しているのは誰なんだ」という疑問が必然的に湧いてきます。
子供でも女性でもなく、障害者でもなく、老人でもない。
残されるのは成人し、定年退職する前の男性という事になります。
なんて狭い社会でしょうか。
もちろん言葉の問題なので、それが現状の全てとはいいませんが、そういった面が多分にある事は認めざるをえないでしょう。
移民も少ない日本ですから、こんな状態でダイバーシティって、、、無理がありすぎます。
少し話が大きくなり過ぎましたが、この様な事からもみ「れいわ新鮮組」の2氏の当選は、限界を迎えつつある日本社会の現状を気が付かせてくれる大きな起点になるかもしれません。
最後に、今回の記事をまとめさせていただきます。
◯国会は健常者が議員になる前提で運営されていた。
◯れいわ新鮮組の2氏の国会での介護費用は参院が負担する事になった。
◯れいわ新鮮組は厚生労働省に公費での介護を要求している。
◯介護費用の運用ルールが変わらないと障害者を雇える企業は増えない
◯なぜ「進出」しなければならないのか、考えてみる必要がある。
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