◇翔んで埼玉ってどんな映画?
ストーリーをヒトコトで言えば、
埼玉県が革命を起こし、
東京都に打ち勝つというものです。
本作の舞台は、
出身地や居住区によって
階級分けされる架空の日本・関東圏です。
埼玉県民は、東京都からの抑圧を受け、
通行手形がなければ立ち入ることも許されません。
この苦境に立ち向かう、
麻実麗(GAKUTO)と壇ノ浦百美(二階堂ふみ)
の活躍を描きます。
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翔んで埼玉という邦画市場最大の茶番劇
本作は、コメディータッチが強いものとなっています。
予告動画に
「邦画市場最大の茶番劇」
と謳われているくらいです。
映画館で聞こえる笑い声は、
スピーカーではなく、
観客から漏れ出たものかもしれません。
東京各所の空気の
“テイスティング”をしたり、
草加せんべいを
踏み割れるかに必死になったり……
埼玉開放のためにこんな“茶番”を
本気で繰り広げられては、
私たち観客に、
笑う以外のすべはありません。
⇒翔んで埼玉のキャストの出身地は?ディスりの舞台と作品の感想と評価
⇒翔んで埼玉のロケ地は?県民も気になる原作者の視点!寛大な心とは?
⇒翔んで埼玉を観た県民の気持ち!クレームにも共感?ロケ地に魅力も?
翔んで埼玉の豊富な自虐ネタというスパイス
コメディータッチを生み出す“茶番”に加え
豊富な自虐も本作のスパイスです。
まずもって、
作中の東京が“都市”の雰囲気
であるのに対して、埼玉は“ド田舎”です。
また、いたるところに
埼玉に対するディスりが
ちりばめられています。
映画公式ホームページにも、
〇夏に行きたい都道府県 WORST.1
〇冬に行きたい都道府県 WORST.1
〇郷土愛 WORST.1
〇海面漁業漁獲量 WORST.1
〇貧乳 WORST.1
〇経験人数 WORST.1
〇社長輩出率 WORST.1
〇総理大臣輩出率 WORST.1
などとありますが、
本編での言われようこの比ではありません。
加えて、
“口撃”を受けるのは
埼玉だけではありません。
隣県の千葉や群馬なども入り乱れ、
空前絶後のディスり合戦をご覧になることができます。
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翔んで埼玉のロケ地は埼玉以外がメイン!
ちなみに、本作のロケ地は以下のようです。
〇茨城県
〇群馬県
〇東京都
〇千葉県
〇神奈川県
お気づきですよね?
翔んで埼玉なのに、
埼玉でロケをしていないことに。
果たしてこれは、
偶然なのか、
スタッフなりのディスりなのか……。
ちなみに、
について記事にしています。
もしもお時間を更にもう少しだけ
いただけるようでしたらぜひ読んでみてください!
埼玉は結構強いんですよ
本題に戻って、
これだけディスられて、
茶番劇の舞台にされて……。
本作の主人公格とはいえ、
埼玉県民は激怒していると思いませんか?
ただ、どうやらそうでもないようなのです。
PVとして、映画スタッフが県庁を訪問する様子が動画になっています。
「例えば〇〇(県)を虐めたりね?
△△(県)を虐めたりするのは
中々困難なんですね。
埼玉は結構強いんですよ。」
そう言った後、埼玉県知事は
埼玉県の魅力を挙げ、さらに続けます。
「そういう、余裕がある埼玉県なので、
少し冷やかされても、
『あ、そう』という感じで
緩やかに受け止められるんです。
これ~〇〇(県)なんか虐めてたら、
怒るよ~多分。△△(県)を虐めても…。」
埼玉には、
ディスりをどこ吹く風と
受け流す強さがあるように感じます。
きっとその強さは、
本作品の映画化に不可欠なもの
だったでしょう。
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埼玉の方が怒るようじゃ、埼玉の人じゃないと思いますね。
埼玉県出身で
菅原好海役のブラザートムも、
同じPVでこのように語っています。
「これから、PRでいろいろ行って、
埼玉の方が怒るようじゃ、
埼玉の人じゃないと思いますね。」
「これを見て、
笑ってよくぞやってくれたって
いうぐらいな気持ちがないと、
埼玉の恥ずかしさになりますので、
皆さん、これは完全に自分たちも
認めて笑えるくらいのパワーで!」
実際、本作は都道府県別興収シェアで、
東京をおさえて
全国1位を叩き出しています。
これは、多くの埼玉県民が、
怒るのではなく喜び、
笑った証拠ではないでしょうか。
プライド…?どこにプライドを持てばいいんですか(笑)
さらに、
菅原好海役のブラザートムと、
菅原愛海役の島崎遥香の談話にて
島崎:「プライド…?どこにプライドを持てばいいんですか(笑)。」
トム:「埼玉県民は“プライド”という言葉を知らない」
島崎:「今回勝ちですね。」
トム:「勝ちですよ。腐っても鯛ですから。埼玉は主役なんだもん。」
というトークが繰り広げられます。
ここまで突き抜けると、
むしろ「いいですよね、埼玉」と思ってしまいます。
翔んで埼玉の主役である埼玉はたくましい
確かに、日本の首都である東京都の
“お隣さん”であるために、
埼玉は貧相に見えるかもしれません。
しかしおそらく、地域によっては
トップを張れる県としてのパワー。
そして、東京を横に眺めながら、
収まるべきところを知った穏やかさ。
この2つを兼ね備えたのが
埼玉県だと思うのです。
力ある県であると同時に
ガツガツとせずに落ち着いて、
ゆったりとした印象が流れる県。
どれだけディスりがちりばめられていても、
多くの観衆は本作を通して、
埼玉を“いい県”と受け取るでしょう。
翔んで埼玉は埼玉県民以外が観ても楽しめるのか?
この記事を書く前に、友人に誘われて
「翔んで埼玉」
を見に劇場に足を運びました。
それも2回も。
私はそれくらい、
本作を楽しむことができました。
私は、埼玉や東京はおろか、
関東に住んでいたことがありません。
ですので、
埼玉県民以外の方も
十分に楽しめると思います。
ただ惜しむべきは、
本作にちりばめられた土地の名前や、
その土地の特徴、出身者……。
それらを十全に理解して楽しめる埼玉県民、
東京都民は、きっと、私の何倍も
本作を楽しんだろうと思ってしまうことです。
今回の記事も読んでくださって
ありがとうございました。
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